迷わず轢けるか

先月27日に静岡で猫を避けようとしたドライバーが、園児の列に突っ込み、意識不明の重体が1名、保育士1名と園児4名が重傷、31人が軽傷を負ったという痛ましい事故がありました。

猫を轢くか、園児の列に突っ込むか。冷静な頭で考えれば、どちらを選択すべきかは簡単に理解できると思います。そのまま猫を轢くのが正解。

急ブレーキを踏むという選択肢もありそうですが、例えば、後続車から追突される危険もありますし、ブレーキを踏んで車輪がロックすると車は制御不能になります。さらに、道路交通法第24条「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。 」の規定にも違反することとなると考えます。判例を確認したわけではありませんが、猫を避けることが、「危険を防止するためやむを得ない場合」に該当するとは到底思えません。一瞬のうちに後続車がいるのかどうか、急ブレーキを踏んだら追突するか間に合うのかなど、判断することは難しいです。ここは急ブレーキよりもそのまま轢くしかない、と思われます。園児の目の前で猫を轢くことの是非が問われるかもしれませんが、これは別次元の問題。

今回の事故の場合、片側1車線の幅6mの道路だそうで、運転者としては、園児を見た段階でスピードを落として徐行すべきだったのだろうと思います。徐行すれば後続車も徐行するでしょうから、仮に急ブレーキを踏んだとしても、そのまま止まれる可能性が強く、追突されても大きな事故になる可能性は低い。

実際に同じシチュエーションで正しい判断ができるかどうかわかりません。猫を轢いてトレーニングするわけにもいきませんし…。ただ、運転するときは、常に次にどうすべきかを頭に入れておかなければならない、と再認識させられました。