#IS03 大容量バッテリ使用レポート(その2)

MugenPowerの2800mAhの大容量バッテリは、その後も快調だ。従来の純正バッテリもあまり使わないと劣化してしまうおそれがあるので使ってはいるが、使うタイミングを考えるに苦慮するほどだ。

さて先週、大容量バッテリについてレポートしたが、その時利用した充電器はガラケーの時から使っていたauの「共通ACアダプタ02 (0203PQA)」というタイプのものである。この充電器は、電流電圧の仕様を見るとDC5.0V 600mAとなっている。これは充電中に最大で600mA(0.6A)流すことができるということだ。純正バッテリに対して充電する際にはこの共通ACアダプタで十分だと思っていたが、なにぶん大容量バッテリでは時間がかかりすぎる。先週のレポートの結果から考えると、20%→100%まで4時間、100%表示になってから充電完了までさらに1時間20分程度かかるので、20%から満タンにするまで、5時間半くらいかかることになる。

先週記事を書いた時点では充電器のことについての知見がなく、他に選択肢はないと思っていたら、某掲示板で世の中には、1Aで流すことができる充電器があり、20→100%で1.5時間で充電できた、との報告を目にした。そこで早速、大容量の充電器を入手してきた。バッファロー製の2A対応の4ポートUSB充電器(BSIPA09)というものだ。2ポートで十分だったのだが、買いに行った店(京都のヨドバシカメラ)には、1A以上の充電器で2ポート以上のものはこの機種の他、PLANEXの4ポートの機種、さらにFILCOというブランド名の2ポート機種しか置いてなかった。店頭で見る限り、バッファローとPLANEXの4ポート品との間に顕著な差はないように思われたので迷ったが、PLANEXの4ポートは同じ側にUSBのメスコネクタが並べて配置されており、あくまで個人の主観だが見た目に美しさが足りないと思われたので、バッファローを選択した。

この製品の特徴は、4つあるポートの一つが、最大2Aの電流を流すことができる2Aポートとなっていることである。説明書によれば、iPadのような大電流を使う機器に対して充電を行うのに向いているとのことだが、IS03の大容量バッテリに使えるのかどうかよくわからない。どのくらい早く充電できるのか知りたい、という好奇心が勝り、つないでみることにした。

大容量バッテリを10%の警告表示が出るまで利用した後、これまで利用していたリール式の充電・データ転送自動判別USBケーブルで接続してみたが、なぜか2Aポートのみデータ転送モードになってしまって充電ができない。逆に3つある1Aポートではちゃんと充電モードになっているようだ。手持ちのモバイルブースターの付属ケーブルは充電専用であることを思い出して、これを利用して、2AポートとIS03を接続してみた。今度は充電できるようだ。過充電を示すLEDの点滅もなく成功のようだ。BatteryMixで測定した結果を以下のグラフに示す。

結論からいえば、午前11時に残り10%から充電を開始して、充電完了の表示が出たのは、午後14時46分。ざっと3時間46分かかっている。あまり早くないような気もするが、グラフを見ると、最初はなだらかで充電に時間がかかっているが、途中は急激に高速に充電がなされていることがわかる。10%ごとに充電されていくラップは以下のようになる。

10% → 20% 75分
20% → 30% 14分
30% → 40%  7分
40% → 50%  7分
50% → 60%  8分
60% → 70%  4分
70% → 80%  7分
80% → 90% 18分
90% →100%  8分
充電完了迄 78分

特に最初の10%から20%のところで75分もかかっており、全充電時間のうち3割以上費やしていることがわかる。この領域でなぜこれだけ充電に時間がかかるのかわからない。専門家の意見を聞きたいところである。
なお、逆に使用するときは20→10%に下がるときだけ、他の領域(例えば、40→30%に下がるとき)の10倍も長持ちしているという感覚はない。したがって、20%を超えて10%まで下がってしまうと充電に10倍の時間がかかるようになってしまうから、なるべく20%、できれば30%くらいで使用を切り上げて充電した方が時間的には相当得なのではないかと思われる。

以上をまとめると、30%から2Aポートで充電すると、30%→100%に1時間、充電完了まで1時間15分で済むことになる。長く見ても2時間半あれば充電完了するということで、高速充電には大容量の充電機が極めて有効という結論となった。

なお、先週レポートした0.6Aの充電器の場合、10%上昇に30分程度かかっていたので、30%→100%に3時間半もかかり、2A充電器の方が3.5倍の高い効率が得られていることになる。特に、この領域は定電流充電が行なわれる領域なので、もろに充電器の最大容量が効いてくるのだろう。ざっと見積もってみると、2A/0.6A=3.4倍の結果が得られるはずということになるから、数値的にも妥当と言える。

以上まとめると、以下の通りである。

  • MugenPowerの大容量バッテリの充電に対しては、2Aの大容量充電器が効果的である
  • 30%程度で切り上げて充電する方が時間の効率が良い

なお、時間があれば、今後は1Aポートにもつないでテストをしてみたい。