明細書原稿案のチェック

Pecanの主要な業務の一つにグループのメンバーの原稿のチェックを行うことが挙げられます。出願前の明細書原稿、中間処理(オフィスアクション)の原稿、要検討特許の検討報告書等々…。特に出願前の明細書原稿は毎週数回はチェックする必要があり、これがかなり大変な作業です。

ある程度、経験を積んでいるメンバーの原稿はクレームとその効果、さらに実施形態として正しく記載されているかを確認するだけで済ませても十分なことが多いです。しかしながら、経験の浅いメンバーの原稿は最初から最後まで目を通す必要があるものが多く、毎回難航します。内容が全く理解できないものもありますし、発明の本筋はクレームと発明の効果のデッドコピーで済ませて、クレームとは直接関係しない構造の詳細を長々と説明しているものもあります。先週末に修正していた原稿は論理の飛躍が著しく、読んでいるうちに眠くて仕方がなくなり、眠気覚ましのため席を立って何度も歩き回る破目になりました。

ただ、毎回同じ基準でチェックをかけるのは難しいものです。自分のスタイルに合わないものはNGというようなことは避けるようにしていますが、前回、OKを出したケースでも今回はNGとしてしまったり、その逆もあります。なるべくばらつきは小さくなるように心がけているのですが、自分の中に存在する許容範囲に入るかどうかでOKとなるかNGとなるかが決まります。この許容範囲は、明確にロゴス化されているわけではありませんので、ボーダー付近のものはどちらに転ぶかわかりません。メンバーが混乱するかもしれないなと思いながらも、一応なぜ直すべきなのか理由をこじつけつつ、休日も自宅で明細書案を真っ赤に修正しているPecanでした。