知財

インビジブル・エッジ

久々に書きます。昨年知財関係者の間で流行った本ですが、ようやくちょっと前に読み終わりました。Amazonのレビューにも投稿しておいたので内容と全く同じですが・・。 ---------------- 先日GoogleがMotorola Mobilityを約1兆円で買収する…

[書評]マイクロソフトを変革した知財戦略

Microsoftがいかにして知財戦略の方針を転換していったかを、実際に携わった当事者が(秘密保持契約の許す範囲内で)生々しく語った内容がもとになっており、極めて貴重な証言である。デファクトスタンダード化したソフトウェアを利用する代償としてPCメー…

読書記録:「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」

書いてある事例は平易でわかりやすいのだが、全体を通して読むと、何が書いてあったのか明確な言葉で表現することが難しく、しばし考え込んでしまった。 この本によれば、フリーの事例として記録に残っているものは19世紀にまでさかのぼるという。決して最近…

事業戦略/研究開発戦略/知財戦略の三位一体論の実際

最近は、知財の最前線の権利化の仕事(実際の文書作成など)は部下に任せることが多くなり、他部門との交渉・調整の仕事が増えています。個人的には、知財の実務よりも、経営や事業に関する分野への興味が増してきました。 最近、ある事業部の経営戦略会議に…

知財部門とマネジメント適性

すっかりご無沙汰していますが、とりあえず元気にしています。知財部門は知財部門なのですが、ほとんどマネジメント中心で過ごしています。既に4年を過ぎ、5年目に入りました。勘の鈍りを防止するため、時折は実務をやっています。 ところで、知財部門にはど…

知的財産管理技能検定特例講習の結果

前々回の投稿で書いた、知的財産管理技能検定の特例講習準1級の結果が、8月28日頃に自宅に到着しました。予想通り、合格しました。受かったからすぐにどうこうするものではありませんが、職場の特例講習合格者メンバーのうち、数人で祝杯をあげました。ま、…

知的財産管理技能士の特例講習(準1級)について

20日の大阪(奈良・帝塚山大学)の特例講習(準1級)の結果ですが、このまま放置するのもなんですので、とりあえず、簡単に報告。なお、某所でも多少重複する内容を書いていますので、2回読まれる方はご了解ください(笑)。 まず、講義は、弁理士の先生…

知的財産管理技能検定の特例講習(7/20)受講予定

今度の日曜日(7/20)に大阪(正確には奈良の生駒市の帝塚山大学)で、知的財産検定合格者のための特例講習(準1級向け)に出席します。 詳細は、知的財産管理技能検定特例講習をご参照下さい。 簡単に言えば、知的財産検定の認定者は、移行措置である特例講…

近況報告:特許検索研修会への参加

気づいたら半年以上過ぎてしまいました。ちょっと近況報告を兼ねて。先週、東京の新橋で検索の講習を受けてきました。付き合いのあるデータベース屋さんの主催でそのビルの1フロアを借りて、約30人くらいのこじんまりとした環境下での講習でした。講師は…

知財検定1級受検結果

とりいそぎ結果を書いておきましょう。以下の通り、準1級(A)でした。ふだんの仕事であまりやっていない「知的財産契約・係争実務」がレベル3ということで基準に達していなかったのでしょうね。もし今後受けるとすれば、今回良くなかったこの分野とレベ…

KSR判決以後

統計を取ってみないとわかりませんが、なんとなく非自明性のOAが多くなっているように思うのですが、気のせいでしょうかね。以前は、新規性とペアで打ってくることが多かったという感触があるのですが、最近は単独でも躊躇なく103条が来ています。

クレーム記載形式による差異(コンビネーション形式のススメ)

かなり以前の話になりますが、拒絶査定不服審判について、審判官から連絡がありました。“今のままのクレームだと引例と差がつかないので、もう少し工夫してもらえないか”という打診です。 審査官には審査件数のノルマがあるためか、あまりきちんと見てもらえ…

知財検定1級受けてきました

7月8日に受けてきました。関西は甲南大学。1級は100人以下と受検者数が2級と比べてかなり少ない感じでした。 勉強用の資料を集めたのですが、直前になって自宅で仕上げなければならない仕事が舞い込んでしまい、結局資料にはほとんど目を通すこともできず、…

知財検定の準備

あと2週間ですがあまり進んでいません。とりあえず外国制度、契約・係争関係の資料を集めたところです。

5月のアクセス記録

記事のねたがないときに良く使うアクセス記録ですが…。 ココログの記録を見てみると、5月は アクセス数合計: 1,361 (日平均: 44) 訪問者数合計: 638 (日平均: 21) と毎日約20名の方が来られているようです。 私のブログの場合、記事が増えるにした…

さらにGTD

アクセス記録を久しぶりに見てみましたところ、かなりいろいろなところからリンクを張っていただいているようです。特に知財関係の掲示板とか…。最近、知財関係の記事が少なくてすみません。時間がないというのは言い訳になりますが。 全社に関係するいろい…

GTD始めてみました

今月になってGTDに手を出しました。GTD(Get Things Done)は、デビッド・アレンという人が考案した仕事術で海外のブロガーの間でここ数年の間に急速に広まり、日本でも1、2年ほど前から普及し始めています。 GTDをやってみようと思ったのは、現状の仕事があま…

今週は拒絶理由通知が多い

特許庁も年度末集中なのでしょうかね。いつもの倍くらいありました。5月後半に期限ということでまだ余裕はありますが…。

多忙

年度末が近づき、ちょっと忙しくしています。机上で目に付く案件だけでも…。 ・PCT出願原稿チェック4件・国内優先出願依頼(特急) 2件・米国出願依頼(パリ) 1件・国内中間 2件・米国OA 1件・韓国OA 1件・韓国OAにともなうIDS要否検討 …

特許検討

このところ他社の特許を検討する業務が多くなってきています。自社の開発品が他社の特許権の権利の範囲内にないことを確認する、というものです。検討案件のほとんどが非常に微妙なものばかりで、判断に当たっては細心の注意が必要であり、息が抜けません。…

代理人事務所の構造的リスク?

コンフリクトの問題もあって、分野ごとにいくつかの代理人を使い分けています。当然ながら代理人によって得意分野もありますし、明細書の品質も癖も一様ではありません。しかしながら、依頼する側としては一定の水準は満たしていてもらわないと依頼する意味…

米国が先願主義に?

数日前から新聞やネットで大騒ぎしていますね。会社でも“とうとう米国の牙城が落ちたな”といった感じで同僚(知財関係ではない)から話しかけられました。 この先願主義への移行話は以前から時折耳にするのですが、いつもどこかで立ち消えになってしまう印象…

新・拒絶理由通知との対話

以前、特許男のブログの記事を読んで、読みたいと思っていた「拒絶理由通知との対話」が「新・拒絶理由通知との対話」として再版されました。このことは弁理士の日々のボンゴレさんのブログの記事を読んで知りました。旧版については地元の図書館にはなく、…

登録率の陥穽

さて、しばらく更新をサボっておりましたが、近況をかねて。 少し前の記事に書いた「36条5項2号」の拒絶理由を受けた2000年出願の案件が登録になりました。明らかな審査官のミスに拘泥せず、「本願の特許請求の範囲に関してご指摘いただいた内容から…

神大教授・特許データ捏造問題・・・企業も姿勢を正すべき

7月14日に書いた記事にいただいたコメントやトラックバックに対して、コメント欄に返信を記載しかけておりましたが、長くなりそうですので、記事といたします。 MANTAさん、chem@uさん、「弁理士の日々」のボンゴレさん、f16fightingfalconさん、コメント…

神戸大学教授特許捏造問題に一応の決着

データ捏造 神大2教授に訓告(神戸新聞Web版より) 神戸大学が、ダイヤモンドを使った工具の発明について特許を出願した際に、担当教授が実験していないデータを捏造(ねつぞう)し出願書類に記していた問題で、神戸大の調査委員会(委員長=北村新三理事)…

件数評価の弊害

夜中は全く動作が止まっているに等しい状態のココログですが、この時間帯はまだましのようです。ということで、ささっと書き込んでしまいます。 このところ、療養中であることを忘れてしまうほど、仕事が立て込んでいました。ほぼ1週間間隔で米国の拒絶理由…

特許庁が先使用権を推奨

特許出願せずに権利保護、特許庁が「先使用権」の活用促す(日経NET) 日経の記事によれば、特許庁が先使用権を推奨しているそうです。特許庁のサイトを覗いてみたところ、確かにプレス発表の記事「先使用権制度ガイドライン(事例集)の公表について-戦略…

拒絶理由のミステーク?

溜まっている中間処理をしておりましたところ、2000年頃に出願した案件に対して、以下のような拒絶理由が出されていることに気づきました。特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (中略)よっ…

明細書原稿案のチェック

Pecanの主要な業務の一つにグループのメンバーの原稿のチェックを行うことが挙げられます。出願前の明細書原稿、中間処理(オフィスアクション)の原稿、要検討特許の検討報告書等々…。特に出願前の明細書原稿は毎週数回はチェックする必要があり、これがか…