知的財産検定2級の合格基準を推測

さて、一昨日は知的財産検定知財検定)でしたね。2級では前回と同じ問題が出たとか、三和の問題集はあまり役に立たなかったという噂を伝え聞いていますが、いかがだったでしょうか。

Pecanは当初は、1級をうけるつもりでいたのですが、諸般の事情で今回は断念しました。今回、部署から受けた人もいますので、情報を得て、次回を目指して勉強を始めたいと思います。

ところで、Pecanのサイトには、知財検定関係で検索していらっしゃる方が相当数いるようです。そこで、時期を失した感がありますが、2級の試験の合格基準について、持っている情報を開示したいと思います。

2級は、特実・意商・著作権民法他の4部門に分かれて採点されており、以下のようにクラス分けされて、合格発表時に合わせて通知されます。

 S:90以上
 A:70以上90未満
 B:50以上70未満
 C:50未満

なお、2級と準2級の境についても、かなりあいまいであり、検定要綱を見ますと、

  • 2級:総得点が基準値以上であり、かつ、「特許・実用新案」「意匠・商標」「著作権」「民法・その他」の4領域すべてにおいて正答率が基準値を満たしていること
  • 準2級:総得点が2級に準ずると認められる基準値以上であること

と定められ、"基準値は、検定委員会が2級に定義されるレベルに到達していると認めた得点値とし、非公開とする。"だそうです。裏を返せば、検定委員会の匙加減でどうにでもなるということです。問題を持ち帰らせないし、そのくせ問題の情報源として期待するセミナーはべらぼうに高いし…。セミナーで金儲けするために作られた試験ではないかと勘繰りたくなります。

話がそれましたので戻します。

前回(2005年6月実施)の2級の試験結果について、周囲の受験者に聞いたり、ネット等を回ったりして集めた33例(2級合格者22名,準2級合格者10名,不合格者1名)について以下に掲載します。別ソフトで作ったタグを貼ったのでうまく表示されないときはご容赦ください。なお、自己申告に基づくものですので、ウソは見抜けない、という点と、あくまでも「前回」の結果であって常に成り立つかどうかはわからない、という点については、あらかじめご承知置きください。

No.特実意商著作権民法2級準2級不合格
1 S A A A  
2 S A A A  
3 S A S A  
4 S A A A  
5 S A S A  
6 S S A S  
7 S A S S  
8 S A S S  
9 S A A S  
10 S A A S  
11 S A S S  
12 A A S A  
13 A A S A  
14 A A A A  
15 A A S S  
16 A A A S  
17 A A A S  
18 A A A S  
19 S B A A  
20 A B S S  
21 A B S A  
22 A B B A  
23 A B B A  
24 A B A A  
25 A B B B  
26 A A A B  
27 B B B A  
28 B S S A  
29 A A C A  
30 A C B A  
31 A C B A  
32 A C A A  
33 B B B B    

この結果から、前回の試験において、2級に合格するための要件を帰納的に推測します。コメントもつけてあります。

  1. 4部門全てでA以上であれば2級合格(No.1~18)
     説明の必要はないと思います。
     
  2. 意商・著作権がBであっても2級合格者あり(No.19~22)
     トータルで2級の合格点に達していれば良いということでしょうか。ただし、3で示すように特実や民法にBがあるとダメのようです。
     
  3. 特実・民法他はBがあると2級合格者なし(No.25~28)
     2では意商・著作権がBであっても合格者がいたのと対照的な結果です。特実・民法他は、問題数が多くてトータル点数に影響したのか(よく覚えてません)、意図的に審査官が厳しく見ているのか? 特に、No.28は意商・著作権がいずれもS、民法他もAなのに、特実がBで準2級という気の毒な結果ですから、特実については重みをつけて傾斜配点されているのかも知れません。

    補足:その後、あるサイトで、AASBで2級合格されていることを知りました。民法他はBがあっても合格は可能だったようです。(当初このサイトにリンクを貼っていたんですが、よく見ると記事の実体がすでに削除されて存在しないようです。ご迷惑だったとすれば、大変申し訳ありませんでしたm(__)m)
     
  4. 意商・著作権にCがあると2級合格者なし(No.29~32)
     トータル点数が低くなったためか、それともCが入ったらダメという委員会の裁定か?
     
  5. 同じ評価でも2級合格と準2級に分かれる(No.22~24)
     No.22とNo.23は、いずれもABBAスウェーデンのグループw)ですが、結果が割れています。さらに、No.24はABAAで、明らかにNo.22(ABBA)より上なのに準2級。これらはトータル点数によるものと考えられます。Aでも89から70まで幅を持っていますから…。

以上ですが、前々回(2004年秋)の報告を集計したものも手元にありますので、下記に掲載しておきます。

No.特実意商著作権民法2級準2級不合格
1 A B A B  
2 A B S B  
3 S B A B  
4 S B A A  
5 S A A A  
6 S A A B  
7 A A B B  
8 A B B B  
9 S A S S  
10 A A S B  
11 A B A A  
12 S A A C  

前々回は、民法他がもう少し緩やかだったようで、Bがあっても2級合格者が出ていますし、Cがあっても準2級合格という報告さえありました。なお、特実は、S,Aだけしかデータにありませんが、不合格だった人の報告を見つけられなかったため、Bがあるとダメなのかどうかはわかりません。