ボランティア活動?

本日は休みでのんびり過ごしていましたが、夕方になって他部署の知財部員からのクレームの相談がメールで入りました。彼女は今から十数年前にPecanと同じ研究所で技術者として仕事をしていた研究者仲間です。以前は、私をPCオタクと誤解していたため(笑)PC周りに関する質問がよく来ていたのですが、今回初めて知財関係の相談がきました。それにはわけがあり、先日のクレームドラフトの外部研修会の内容を、簡単にまとめて、社内の若手知財部員の勉強会のメンバー宛に送信しておいたのが発端です。彼女は、遠方(飛行機で2時間くらい)におり、育児や主婦業を両立させながら、仕事をしているため、そういった勉強会には出席できません。しかし、非常に向上心があり見習うべき点が多いと感じています。今回も彼女の熱意に触発され、休日の午後を2時間くらい費やして検討しました。

他の企業ではどうかわかりませんが、Pecanの周りを見る限りでは、クレームドラフトは個人の暗黙知に属する部分であり、どのように書くか自分の言葉で的確に指導できる人が少ないように思われます。彼女の場合も、先輩部員について見よう見まねで身につけたもののようです。最初に付いた人が、いきなり書き流しでクレームドラフトしてしまう流儀だったのか、今回彼女が作ったクレームも概念の仕分けが不十分で、各構成要素間の関係が整理されていないように思われました。このあたりが不完全だと、発明の本質に迫れず、不要な限定をしてしまう恐れがありますし、米国出願の時の翻訳で誤訳が生じやすいという問題もあります。そこで、発明の内容を理解してPowerPointで概念を整理した図を作り、これをそのままクレームドラフトするように申し添えて返信しました。

その後、見違えるように概念が整理されて書き直されたクレームとお礼のメールが届きました。自分の部署を放っておいて他部署を見ている余裕があるというわけではありません。しかし、全社的に見ればプラスになっていることですし、人に教えることによって自分のスキルアップにもなりますので、今後もこのようなボランティア活動は続けていこうと思っています。