読書記録(カラマーゾフの兄弟1)

カラマーゾフの兄弟1(ドストエフスキー著、亀山郁夫訳)(光文社古典新訳文庫)

ようやく1巻を読み終わりました。評判通り、亀山新訳は読みやすく純文学から遠ざかっていた私にもすらすら読めました。ロシア文学特有の複雑な 愛称も一定のルールの下で書かれているため、その面での面倒さはありませんでした。しおりに登場人物の名前が書いてあるので、何度も見直しましたが。

1巻の中では、3人の兄弟と父親との関係が目に止まりました。特に父親のフョードルの自堕落な生活と道化ぶりは実のところ、自分の中にも内在し ている部分であると感じました。また、ゾシマ長老と懺悔する女性との会話で、意識の中では高尚な人類愛に燃えている人が実際は自分の隣人すら愛せないとい うジレンマについて言及している部分がありましたが、これは現在の自分も未解決の問題です。作者が登場人物に人類の色々な類型を代表させ相互のやりとりを 通して、本質をえぐり出そうとしているようにも思われ、この後の展開が気になります。

通勤途中に読んでおり、気乗りがしない日は別の本を読んでいたため、なかなか先に進まなかったのですが、先日業務上の外出で遠出する機会があり、一気に読み終わりました。昨日帰りに駅前のイオンの本屋で2巻をゲットしたので、引き続き読んでいきます。